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大学がしんどくなったとき、やめる前に使える休学と再入学の制度

2026.09.02

窓から光が差し込む和室の木のテーブルに置かれた一冊の閉じたノートと白い封筒

大学の給付奨学金には、成績が下がると日本学生支援機構(JASSO)から届く「警告」という通知があります。

実際の通知は、こんな感じです。表題が「給付奨学生の学業成績について(警告)」。本文には、今後の学業成績いかんによっては給付奨学生の資格を廃止することがある、と書いてあります。要するに、このままだと奨学金が止まりますよ、というお知らせです。

審査請求や処分の取消しを求める訴えについての案内も、いっしょに書かれています。それだけ重い通知だということですね。

でも調べてみたら、大学には休学とか再入学とか、思っていたより手段がありました。今日は制度の話だけ、公式に確認できた範囲で書いておきます。

JASSO給付奨学金の「警告」「停止」「廃止」は数字で決まる

給付奨学金には、学年末ごとに成績や単位、出席率をチェックする「適格認定」という仕組みがあります。JASSOの公式ページに、こう書いてありました。

警告のあいだは支給が続きます。ただ、次の適格認定でも改善が見られないと、停止や廃止につながる仕組みです。廃止になると、支給済みの奨学金を返還しなければならないケースもあるとJASSOのページに明記されています。

「2回連続警告」で停止になるか廃止になるかの分岐は、公式ページの文章を読み解いた範囲での理解です。詳しくはJASSOや学校の奨学金窓口に確認してください、というのが正直なところです。

JASSO給付奨学金の「警告」と「廃止」の基準を比べた図。警告は修得単位数が標準の7割以下・GPA等が下位4分の1・出席率8割以下。廃止は修業年限で卒業できないことが確定・修得単位数が標準の6割以下・出席率6割以下・連続して警告に該当した場合。

休学の条件は大学ごとに全然ちがう

休学、というとひとつの制度に思えますが、通算で何年まで休めるか、在籍料がいくらかかるかは、大学によってバラバラでした。

大学によってここまで違うと、「大学の休学は◯年まで」とはとても言えません。志望校や在学中の大学の学則を、自分の目で見るしかないんですよね。

休学するときにひとつ気をつけたいのが奨学金です。JASSOの給付奨学金は、休学しても自動では止まりません。学校の窓口に申し出て「休止」の手続きをしないと、その間に振り込まれた分は返金しないといけなくなります。復学したら自動で再開するわけでもなく、「復活」の手続きが別に要ります。

法政大学・早稲田大学文化構想学部・広島修道大学の休学の通算上限を比べた図。法政大学(学部)は通算4年まで、年間休学10万円・学期休学5万円+諸会費。早稲田大学文化構想学部は通算4年まで、学期ごとの在籍料5万円。広島修道大学は通算2年まで、学則に明記。

休学しなくても使える手もある

休学まで踏み切らなくても、単位やGPAへの打撃をやわらげる制度が、いくつかの大学に見つかりました。

まず履修取消・履修辞退。大阪大学や関西大学、東京都立大学、明治大学などにある制度で、学期の途中で決められた期間内に手続きすれば、その科目をGPAの算出から外せます。単位は出ませんが、無理に受けて成績を落とすよりましという選択肢です。

もうひとつが合理的配慮。障害者差別解消法にもとづいて、出席や課題を個別に調整してもらえる仕組みで、私立大学も2024年4月から義務化されています。ただし京都大学の公式ガイドにははっきりこう書いてありました。単位取得や卒業を保障するものではない、評価基準は他の学生と同じ、と。本人からの申し出が前提になるのも共通しています。

長期履修学生制度という、修業年限を延ばして学費の負担を学期ごとに分割する制度もあります。ただこちらは、調べた範囲では大学院向けのページが中心で、学部生向けに「心身の不調」を対象理由として明記した公式ページは見つけられませんでした。大学によって扱いが違うはずなので、ここは在籍する大学に直接聞くのが早いと思います。

休学しなくても使える3つの制度を並べた図。履修取消・履修辞退はGPAを守る、単位は出ないが成績を落とさずに済む。合理的配慮は個別に調整、単位取得や卒業を保障するものではない。長期履修学生制度は学費を分割、学部生向けの明記は大学によって差がある。

退学しても、再入学という道がある

行けなくなって、それでも退学することになったとき。戻れる制度があることも、広島修道大学の学則で確認できました。

学則によると、再入学が認められるのは、本人の願い出による退学者と、休学期間の超過や納付金の未納で除籍された者の2パターンです。ただし在学年数の上限を超えたことによる除籍者は、再入学の対象に含まれていません。それと、再入学できるのは1回きり。「再度の再入学は、これを許可しない」とはっきり書いてあります。

具体的な提出期限や再入学金の金額は、学則の本体ではなく細則で決まっているようで、大学ごとに違います。ここも一般化せず、対象の大学に直接確認するしかないところです。

再入学が許可されるまでの流れを示した図。1退学(または除籍)、2再入学の願い出、3教授会の審議、4許可の通知。再入学できるのは1回きりで、再度の再入学は不可。

知らないまま退学してしまうのが、いちばんもったいない

ここまで書いた制度、正直どれも「知っていれば選べたかもしれない」ものばかりです。

大学に行けなくなっているとき、本人はそのことで頭がいっぱいのはずです。休学の在籍料がいくらか、奨学金の手続きがどうなるか。そこまで調べる余裕は、たぶんありません。親のほうも同じで、目の前のことで精いっぱいになります。

でも、知らないまま退学すると、後から「実は休学でよかったのに」「実は戻れる制度があったのに」となりかねません。それがいちばんもったいない。

文部科学省には、修学支援新制度についての相談ナビダイヤルもあります(0570-666-301、月曜〜金曜9時〜20時)。まずは在籍している大学の学生相談室や奨学金窓口に、いま起きていることをそのまま話してみる。制度を選ぶのはそのあとでいいんじゃないかなと思います。

大学の学費まわりの実額は、こちらにまとめています。

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なお、ここに書いた休学・再入学の条件や在籍料は、確認できた大学の例です。すべての大学に当てはまるわけではないので、実際に検討するときは、在籍している大学とJASSOの最新情報を必ず確認してください。

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