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大学無償化の「満額」でも、前期に16万円払いました

2026.08.27

窓辺の木のテーブルに置かれた白い封筒と、開かれた通帳

「大学無償化」って言葉、ずるいと思うんです。

タダになると思うじゃないですか。わたしも思ってました。

うちの子は、授業料減免のいちばん手厚い区分に認定されています。第Ⅰ区分、通知には「満額の支援」と書いてあります。

それでも前期に払ったのは、16万1千円でした。

実際に届いた通知です

まず、これを見てください。大学から届いた通知の、金額のところだけ残して、あとは黒く塗ったものです。

大学から届いた授業料等減免の判定結果通知。減免区分は第Ⅰ区分(満額の支援)。前期の内訳は授業料39万円が4万円に、入学金22万円が0円に、施設設備資金11万円は減免なし、合計51万1千円が16万1千円になっている

うちの子の名前と大学名は消していますが、金額はそのままです。

何が減って、何が残ったか

表になっている部分を書き出します。前期のぶんです。

項目 減免前 減免後
入学金 220,000円 0円
授業料 390,000円 40,000円
施設設備資金 110,000円 110,000円
後援会費・学友会費 11,000円 11,000円
合計 511,000円 161,000円

入学金は、まるごとゼロになりました。ここは本当にありがたい。22万円が消えるのは大きいです。

授業料も39万円が4万円。9割引きです。

でも、施設設備資金の11万円は1円も減っていません。

通知に、はっきり書いてあります

なぜ減らないのか。通知の下のほうに、こう書いてありました。

※減免の対象となるのは、入学金及び授業料です。施設設備資金等は含まれません。

そういうことなんですね。

制度の名前が「授業料等減免」なので、減るのは授業料と入学金。施設設備資金は「等」に入っていない。後援会費や学友会費も同じです。

わたし、ここを分かっていませんでした。「無償化」と聞いて、大学に払うお金が全部消えると思っていたので。

授業料も、なぜか4万円残る

もうひとつ、不思議に思ったところがあります。

満額の支援なのに、授業料が39万円→4万円で、4万円が残っている。

これは、国が定めている減免の上限額が決まっているからです。私立大学の授業料の上限は年70万円で、うちの大学の授業料は年78万円。差額が自己負担になります。

前期35万円が減免されて、残り4万円。数字が合います。

ようは、大学の授業料が国の上限より高いと、その差額は自分で払うということ。これも知りませんでした。

支援には4つの区分があります

通知の1番目に、こう並んでいました。

授業料等減免の4つの区分。第Ⅰ区分は満額の支援、第Ⅱ区分は満額の3分の2、第Ⅲ区分は満額の3分の1、第Ⅳ区分は多子世帯支援・理工農系支援

区分 支援の大きさ
第Ⅰ区分 満額の支援
第Ⅱ区分 満額の3分の2
第Ⅲ区分 満額の3分の1
第Ⅳ区分 多子世帯支援・理工農系支援

うちはいちばん上の第Ⅰ区分です。それでも16万円払っている。

ということは、第Ⅱ区分や第Ⅲ区分の方は、もっと払っていることになります。3分の2、3分の1ですから。

「無償化の対象になった」と聞いても、いくら残るかは区分によって全然ちがいます。

もうひとりは、大学独自の制度と組み合わせています

うちにはもうひとり大学生がいます。この子の通知を見て、驚いたことがありました。

国の修学支援と大学独自の特待生制度を組み合わせて、前期の授業料等が69万円免除された例

制度 減免額
修学の支援に関する授業料等減免(国) 350,000円
A特待生(大学独自) 340,000円
合計 690,000円

国の制度と、大学独自の特待生制度が併用できていました。

この学校のA特待生は、大学の公式サイトによると、GPA3.5以上または学科の上位5%という基準で、授業料等の半額が免除されるものです(2026年8月確認)。期間は1年間なので、毎年判定されます。

この子が実際に払ったのは、諸会費の15,000円だけでした。

ただし通知には、こんな注記もあります。

※授業料及び施設設備資金を越えての減免・給付はできませんので、ご了承ください。

いくら制度を重ねても、払う額より多くは戻ってこない、ということですね。当たり前ですが、上限はあります。

大学独自の制度を、必ず調べてください

ここが今日いちばん伝えたいところです。

国の修学支援は、申し込めば誰でも同じように審査されます。でも、大学独自の授業料減免や特待生制度は、大学によってまったく違います。

うちの場合は、大学から通知が届いて初めて知りました。こちらから申し込んだわけではありません。

進学先を決めるとき、授業料の額だけ比べていませんか。わたしは比べていました。でも、独自の減免制度がある大学とない大学では、実際に払う額がまるで変わります。

判定に使う所得の年度が、途中で変わります

もうひとつ、気をつけたいことがあります。

この減免、年度の途中で区分が変わることがあります。判定に使う所得の年度が切り替わるからです。

高校の就学支援金でも同じことが起きていて、うちが高校からもらった資料には、こう書いてありました。

同じ1年のなかで、前半と後半で判定のもとが変わるんですね。前の年に収入が増えていると、後半から支援が減ることがあります。

うちは就学援助でも、これと同じことで落ちました。その話はこちらに書いています。

就学援助に落ちる理由と、落ちたあとにできること

それでも、申し込む価値はあります

ここまで「思ったのと違った」という話ばかり書きました。でも、誤解しないでほしいことがあります。

この制度、ものすごくありがたいです。

入学金22万円がゼロ。授業料39万円が4万円。前期だけで35万円が減っています。年間なら70万円です。

もし何も申し込んでいなかったら、うちは大学に行かせられていません。

だから、伝えたいのはこういうことです。

「無償化」という言葉で期待しすぎない。でも、絶対に申し込む。

いくら残るかは、大学によって、区分によって、違います。だから合格が決まったら、その大学に払う額を1円単位で確認してください。授業料だけでなく、施設設備資金や諸会費まで含めて。

多子世帯の無償化については、こちらにまとめています。

多子世帯の大学無償化、「子ども3人」のカウントが崩れる瞬間

大学生ふたりの学費の実額は、こちらです。

大学生ふたり、わが家の学費のリアル

なお、ここに書いた金額はうちの子が通う大学のもので、2024年度と2026年度の通知によるものです。金額も制度も大学によって、年度によって変わります。実際に検討するときは、進学先と文部科学省の最新の情報を確認してください。

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