
「大学無償化」って言葉、ずるいと思うんです。
タダになると思うじゃないですか。わたしも思ってました。
うちの子は、授業料減免のいちばん手厚い区分に認定されています。第Ⅰ区分、通知には「満額の支援」と書いてあります。
それでも前期に払ったのは、16万1千円でした。
実際に届いた通知です
まず、これを見てください。大学から届いた通知の、金額のところだけ残して、あとは黒く塗ったものです。

うちの子の名前と大学名は消していますが、金額はそのままです。
何が減って、何が残ったか
表になっている部分を書き出します。前期のぶんです。
| 項目 | 減免前 | 減免後 |
|---|---|---|
| 入学金 | 220,000円 | 0円 |
| 授業料 | 390,000円 | 40,000円 |
| 施設設備資金 | 110,000円 | 110,000円 |
| 後援会費・学友会費 | 11,000円 | 11,000円 |
| 合計 | 511,000円 | 161,000円 |
入学金は、まるごとゼロになりました。ここは本当にありがたい。22万円が消えるのは大きいです。
授業料も39万円が4万円。9割引きです。
でも、施設設備資金の11万円は1円も減っていません。
通知に、はっきり書いてあります
なぜ減らないのか。通知の下のほうに、こう書いてありました。
※減免の対象となるのは、入学金及び授業料です。施設設備資金等は含まれません。
そういうことなんですね。
制度の名前が「授業料等減免」なので、減るのは授業料と入学金。施設設備資金は「等」に入っていない。後援会費や学友会費も同じです。
わたし、ここを分かっていませんでした。「無償化」と聞いて、大学に払うお金が全部消えると思っていたので。
授業料も、なぜか4万円残る
もうひとつ、不思議に思ったところがあります。
満額の支援なのに、授業料が39万円→4万円で、4万円が残っている。
これは、国が定めている減免の上限額が決まっているからです。私立大学の授業料の上限は年70万円で、うちの大学の授業料は年78万円。差額が自己負担になります。
前期35万円が減免されて、残り4万円。数字が合います。
ようは、大学の授業料が国の上限より高いと、その差額は自分で払うということ。これも知りませんでした。
支援には4つの区分があります
通知の1番目に、こう並んでいました。
| 区分 | 支援の大きさ |
|---|---|
| 第Ⅰ区分 | 満額の支援 |
| 第Ⅱ区分 | 満額の3分の2 |
| 第Ⅲ区分 | 満額の3分の1 |
| 第Ⅳ区分 | 多子世帯支援・理工農系支援 |
うちはいちばん上の第Ⅰ区分です。それでも16万円払っている。
ということは、第Ⅱ区分や第Ⅲ区分の方は、もっと払っていることになります。3分の2、3分の1ですから。
「無償化の対象になった」と聞いても、いくら残るかは区分によって全然ちがいます。
もうひとりは、大学独自の制度と組み合わせています
うちにはもうひとり大学生がいます。この子の通知を見て、驚いたことがありました。
| 制度 | 減免額 |
|---|---|
| 修学の支援に関する授業料等減免(国) | 350,000円 |
| A特待生(大学独自) | 340,000円 |
| 合計 | 690,000円 |
国の制度と、大学独自の特待生制度が併用できていました。
この学校のA特待生は、大学の公式サイトによると、GPA3.5以上または学科の上位5%という基準で、授業料等の半額が免除されるものです(2026年8月確認)。期間は1年間なので、毎年判定されます。
この子が実際に払ったのは、諸会費の15,000円だけでした。
ただし通知には、こんな注記もあります。
※授業料及び施設設備資金を越えての減免・給付はできませんので、ご了承ください。
いくら制度を重ねても、払う額より多くは戻ってこない、ということですね。当たり前ですが、上限はあります。
大学独自の制度を、必ず調べてください
ここが今日いちばん伝えたいところです。
国の修学支援は、申し込めば誰でも同じように審査されます。でも、大学独自の授業料減免や特待生制度は、大学によってまったく違います。
- 成績で決まるもの
- 入試の点数で決まるもの
- 申請が要るもの、要らないもの
- 毎年判定されるもの、入学時に決まるもの
うちの場合は、大学から通知が届いて初めて知りました。こちらから申し込んだわけではありません。
進学先を決めるとき、授業料の額だけ比べていませんか。わたしは比べていました。でも、独自の減免制度がある大学とない大学では、実際に払う額がまるで変わります。
判定に使う所得の年度が、途中で変わります
もうひとつ、気をつけたいことがあります。
この減免、年度の途中で区分が変わることがあります。判定に使う所得の年度が切り替わるからです。
高校の就学支援金でも同じことが起きていて、うちが高校からもらった資料には、こう書いてありました。
- 4〜6月分は、2年前の収入をもとに算出
- 7〜10月分は、1年前の収入をもとに算出
同じ1年のなかで、前半と後半で判定のもとが変わるんですね。前の年に収入が増えていると、後半から支援が減ることがあります。
うちは就学援助でも、これと同じことで落ちました。その話はこちらに書いています。
それでも、申し込む価値はあります
ここまで「思ったのと違った」という話ばかり書きました。でも、誤解しないでほしいことがあります。
この制度、ものすごくありがたいです。
入学金22万円がゼロ。授業料39万円が4万円。前期だけで35万円が減っています。年間なら70万円です。
もし何も申し込んでいなかったら、うちは大学に行かせられていません。
だから、伝えたいのはこういうことです。
「無償化」という言葉で期待しすぎない。でも、絶対に申し込む。
いくら残るかは、大学によって、区分によって、違います。だから合格が決まったら、その大学に払う額を1円単位で確認してください。授業料だけでなく、施設設備資金や諸会費まで含めて。
多子世帯の無償化については、こちらにまとめています。
→ 多子世帯の大学無償化、「子ども3人」のカウントが崩れる瞬間
大学生ふたりの学費の実額は、こちらです。
なお、ここに書いた金額はうちの子が通う大学のもので、2024年度と2026年度の通知によるものです。金額も制度も大学によって、年度によって変わります。実際に検討するときは、進学先と文部科学省の最新の情報を確認してください。